THE BUTTERFLY EFFECT
けっこう面白いと聞いて、見に行ってきた。
うーむ、なるほど…単純なSFタイムトラベルものでもなく、パラレルワールドでもなく、恋愛ものでもない、ヒューマンドラマですね。
運命とは、ほんのちょっとした違いで、ここまで変わるものなのか?
変えることによって、それにより生まれる幸福もあれば不幸もある。全てがうまくいくことなんてあり得ないのだろうか?
ひょっとして、“幸福”や“不幸”はその形態はその時その時で違うが、その量は常に一定で、単に“配置”がちがうだけなのではないか?そんなことを思わせる。
(以下ネタバレ)
主人公(エヴァン)は恋人(ケイリー)を救うため、超能力によりその運命を変更すると、自分がとてつもない不幸に見舞われる。自分を助けようとすると、今度は自分以外の全員が不幸になってしまう。それを救おうとすると、今度は自分がまた違う不幸に・・・・。そんな経験を経てエヴァンは徐々に成長していく。その結果最後には、自分の父が嵌った罠に同じように嵌ってしまい、限られたチャンスのなかで最も苦しい選択をする。そんなところがドラマとしての見処だ。
またもうひとつの見処は、俳優陣の演技分け。運命が変わると、みなりだけでなく魂が乗り移ったように性格もがらりと変わる。各俳優を取り巻く空気感さえ変わるのだ。
また、子役もかなり頑張っている。ちょっと見ただけではわからない切なさを奥に秘めた少年と少女。異常なくらいに屈折したガキ。
(それにしても、エヴァンの少年時代を演じた彼。よく似た子を探してきたもんだよなぁ。)
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ちょっと気になったのは、エヴァン、血を流しすぎ。大脳新皮質の外側から出血って、それって鼻から血が出て終わりじゃ済まないだろ、普通。しかも何回も。
あと、最後の選択をするシーン。それって初めてエヴァンとケイリーが出会うシーンでもあるんだけれど、途中の回想でもなんでもいいんで、もう少し伏線があってもよかったんじゃないかなぁ。
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最後にタイトルについて。
バタフライエフェクト(バタフライ効果)って、「ある場所で蝶が羽ばたくと地球の反対側で竜巻が起こる」…「はじめの条件の僅かな違いが、将来の結果に大きな差を生み出す」というタイムパラドックス…SFの範疇での理論とのこと。
この映画を見て、なるほどと思うが、このタイトルに込められた思いはそれだけではなくて、運命から運命へ渡り歩くエヴァンの姿を、自分の起こした風にさえ負けそうになりながら花から花へとヒラヒラ(よたよた?)渡り歩く蝶の姿に重ね合わせているのではないだろうか。
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