April Bride
金曜の夜に野郎ひとりで見に行く映画ではないのはわかってる。
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余命1ヶ月の花嫁
さほど興味もなく、時間の都合だけで止むを得ずこの映画を見たのだが、その結果、見てよかったと思っている。
お涙頂戴的な映画と見せかけて(?)実はそうじゃない。重く切ない筋なのだが、最後には心に爽やかなものを残してくれる。
主役の千恵・太郎のふたり、千恵の父(それにチョイ役だが太郎の両親も)が、それぞれのドラマを魅せてくれる。そしてそのそれぞれのドラマとドラマの間でストーリーが形作られている。
言い換えれば、ある人を大切に想うとき、その人について知っていることが、その人の全てではないとは判っているが、その人について知らされていない出来事が、自分とその人との結びつきを強めていることに気が付いていないことが多いということが、良く描かれていたと思う。なんかこんがらかるけど、意味がわかるかなぁ。
出会ったフレッシュなふたりの一方が病気になり、闘病生活の末、死に別れていく。ちょっと93年の香港映画「つきせぬ想い」を思いださせるし、例えば太郎が指輪を求めて雨の中を走るシーンは、キットが飴を買いに行くシーンともろかぶりするように思えるのだが、話のリアルさでは、こっちの方が良いんじゃないかな。
変にBGMに頼らない、静寂とセリフを大切にしたシーンの数々が、物語物語していないリアルさというか、ぼくらのいる場所と地続きの世界で起きている出来事であることを感じさせ、主役ふたりの気持ちにのめりこんでいける。
<思ったこと>
・柄本明のケーキを食いながら「ありがとう」と言うシーンが凄かったな。
・榮倉奈々が宮崎あおいに見えて仕方が無い。
・瑛太が妻夫木聡に見えて仕方が無い。
・千恵の実家で飼ってる犬が、白戸家のお父さんに見えて仕方が無い。
いやそれは冗談だが、この犬が・・・海をじっと眺めたり、いいタイミングで横向いたり、縁側から見えるちょうどいい位置にじっとしていたりしてなかなかイイ。これは監督のこだわりかねぇ。
<ほか、勝手な私の意見>
・瑛太の髪型は・・・もっと何とかすべきだったんじゃないか?
・医師役の人は、もうちょっと年配の人が良かったんじゃない?
・「太郎」とか「花子」とかいう配役のネーミングってどうなんだろう?「太郎」・「花子」は、一般的には日本人男性と日本人女性をそれぞれ表すキーワードだが、誰もがそういう状況になりうるってことを表したかったのかな?それでもやっぱりちょっと奇異な感じがするので、もっと地味な名前にした方が良かったのでは?
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