「大唐西域壁画」ふたたび
特別展『仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護』
国立博物館の平成館まで行って見てきた。
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昨年6月に奈良まで行って来たのだが、その時に見た中で最も印象深かったもののひとつが、薬師寺玄奘三蔵院の大壁画だった。その名も「大唐西域壁画」。平山郁夫画伯の超大作だ。
その場、その場に立って見晴らしているような臨場感、空気感。圧倒的なスケールと迫力。それが凄かった。あまりの物凄さに、思わずセットの絵葉書を買っちゃったりしたのだった。
その壁画が、今、上野の国立博物館に来ているという。
あの壁画、外して持って来たんかょ!?という事実にまずびっくりだが、これはもうまた見に行かなくてはなるまいと思った。昨年見たときの感動っていうか爽快感が忘れられないのだ。
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この特別展の目的は、「平山郁夫氏の文化財保護に関わる偉大な活動を顕彰し、その業績をとおして文化財保護の重要性や課題などを改めて広く知っていただこうとするもの」となっていて、もろもろ展示物はたくさんあるが、結局のところ、この「大唐西域壁画」の展示が一番の目玉なんだろうと思う。なんせ会場のほぼ半分を使って展示しているからね。
んで、再会した感想だが…………
何だろう…薬師寺で見たときと全然印象違ってた。スケール感全然無かった…。
展示する環境が全然違うからだと思う。
薬師寺の「大唐西域壁画殿」(「大唐西域壁画」を納めるだけのための建物)では、かなり明るい照明で、壁画の一枚一枚を壁一面にみっちり配置してあった(なんせ壁画だからな)。目線はほぼ水平か、やや見下ろすような感じ。壁画を見たときに視界に入ってくるのは壁画と壁画を区切る赤い柱だけ。それでも柱が邪魔だなーと思っていた。
平成館では、照明を落とした広い展示室の壁に、一枚一枚の壁画を離して掛けて、壁画だけに照明が綺麗に当たるように展示されていた。目線は見上げる感じ。照明がうまく反射して、壁画自身が光って浮き上がっているように見えるっていうか、実はでっかい液晶ディスプレイで、バックライトで絵が光っているんじゃないかとも見える面白い展示方法だった。
でも、これだと壁画以外の暗い壁の部分が、どうしても視界に入ってしまう。壁画を見たときの没入感が生まれない。
素人が展示のプロに物申すのは恐縮千万なのだが……大唐西域壁画殿での展示方法からうまく再現されていれば、もっと多くの感動を伝えられたのではないかと思うのだ。あれだけ広い展示室なんだから、できないことはない。
なお、「大唐西域壁画」以外の展示では、製作中の画伯の写真や下絵などの関連展示も併せて見られて、これはこれでなかなか良かった。
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平成館の喫茶コーナーで食べた「あんみつ」。
甘いんだけど、くどくない。
アンコと寒天を喉にぐいぐい押し込むときの舌触りと喉の感触が快感だった。
国立博物館、本館地下の売店で買ったクッキー。(平山郁夫展とは何の関係も無い。)
缶が、尾形光琳作の国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」のデザインになってる。1,050円。
ちなみに売店では「八橋蒔絵螺鈿硯箱」のちゃんとした(?)原寸大レプリカも売っている。
お値段は3,150,000円。ご参考までに。
私は1,050円のでいいです…。
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